はじめに
子どもの頃から、父のカメラがそばにありました。
写真は、特別なものというよりも、ただ自然にそこにあるものでした。
〈写ルンです〉で何気ない日常を残していた学生時代。社会人になってからは、自分のカメラを手にし、SNSを通じて写真仲間と出会いました。
転機になったのは、職場の上司から譲り受けたフィルムカメラです。
偶然の操作ミスから生まれた多重露光。その予測できない重なりに、強く心を奪われました。
意図して撮ることと、偶然に出会うこと。
そのあいだに立ち上がる瞬間を大切にしながら、写真を続けています。
今回、2026年2月21日(土)から岡山・gallery 2-16にて、初の個展を開催します。

秋月ナミダ。
フィルムで多重露光|人と自然|
やさしさと切なさ、その余韻を写真に
2022年
多重露光の撮り方やエッセイを収めた作品集『あわい ― 重なりあう二つの世界 ―』を梓出版社より出版
2025年
ナカイ写真工房より講師として声をかけていただき、多重露光ワークショップを開催
cizucu:秋月ナミダ。
Instagram:@akizuki_namida
開催に向けて
これまでグループ展に参加する機会はありましたが、個展については長いあいだ「まだ自分には早い」と思っていました。
個展を意識し始めたのは、5年ほど前。
さまざまな展示を観に行きながら、自分らしいかたちを探していました。でも、気持ちだけが先にあって、具体的なイメージはなかなか輪郭を持ちませんでした。
そんな中で出会った、あるギャラリー。
「もしやるなら、ここかもしれない」
そう思った瞬間、曖昧だった展示の情景が一気に頭の中に広がりました。
ギャラリーの方から「ぜひやってください」と言っていただいたとき、嬉しさと同時に、不安が押し寄せました。
やるからには成功させたい。
でも、自信は揺らぐ。
「もし誰も来てくれなかったらどうしよう」と、逃げたくなる夜もありました。
それでも、成功や結果とは別に、挑戦すること自体に意味があるのかもしれないと思えたこと。周囲の後押しもあり、今回の開催を決めました。
準備は、正直とても大変でした。
展示のレイアウトから物販まで、空間のイメージが一気に浮かんでしまう分、すべてを同時に進めるしかなく、ほとんどを一人で抱えることになりました。
準備が終わらない夢を見るほど不安になります。
それでも、その不安の中に、確かに楽しさもあります。
届けたい想い
今回の個展の題名は、写真を撮るという行為そのものから生まれました。
シャッターを切った瞬間、その時間はもう終わっている。
でも同時に、その瞬間から何かが始まっているようにも感じます。
終わりと、はじまりは、別々のものではなく、
いつも重なり合いながら存在している。
この展示でいう「終わり」は、何かを断ち切るためのものではありません。
静かに次の気配へと滲んでいくもの。
また、「はじまり」を強く宣言したいわけでもありません。
気づいたときには、もう始まっている。
そんな感覚に近いものです。
この展示は、その移ろいの途中を写したもの。
写真の前に立ったとき、
誰かにとっての終わりや、はじまりが、そっと重なれば嬉しいです。
開催情報

『終わりとはじまり』
開催日程:2026年2月21日(土)~ 2月24日(火)
開催時間:10:00 ~ 19:00(最終日15:00まで)
開催会場:gallery 2-16
会場住所:岡山県岡山市北区富田町2-2-16 | 地図
アクセス:JR「岡山駅」東口より徒歩約10分
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