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Cover photo by pointy
写真を愛するクリエイターたちが語る、カメラとそのストーリー。「愛機」という存在には、それぞれの人生観や価値観が映し出されます。今回の連載では、〈FUJIFILM X-T10〉を愛用するpointyさんが登場。
育休中、限られた予算の中で手に取ったのは、2015年発売の〈FUJIFILM X-T10〉。憧れのFUJIFILMを“背伸びせず”に始めたpointyさんが語る、少し古いカメラとの等身大の付き合い方。撮って出しの色に心が躍った最初の一枚から、古さゆえのもどかしさ、そしてRaw現像で自分好みの色を探すようになるまでの変化に迫ります。
2015年に発売された、Xシリーズの一眼レフスタイルを小型・軽量ボディに凝縮したミラーレスカメラ。有効画素数約1630万画素のAPS-Cサイズ「X-Trans CMOS II」センサーと画像処理エンジン「EXR Processor II」を搭載し、FUJIFILMならではの色再現を楽しめるフィルムシミュレーションを備えています。ダイヤルを操作しながら撮影する楽しさと、日常に持ち出しやすいコンパクトさを両立した一台です。
正直に言うと、〈FUJIFILM X-T10〉を「愛機」と呼べるほど気に入っているのか、まだ自信がありません。それでも、このカメラが私の写真の始まりであることは間違いないと思います。
ずっとFUJIFILMのカメラに憧れていました。ただ、実際にカメラを買おうと決めたのは育休中のこと。使える予算は限られていたので、コンパクトで、FUJIFILMらしいフィルムシミュレーションを搭載しているX-T10を選びました。
予算は実質ゼロ。家で眠っていたデジカメを売って資金をつくり、ボディは中古で、レンズは手頃なTTArtisanのものを選びました。背伸びせず、手が届くところから始める。それが、私と〈FUJIFILM X-T10〉の出会いです。
Photo by pointy
私が感じる「FUJIFILMっぽさ」は、深みのある色味と、やわらかい描写です。初めて試し撮りをしたとき、「自分でもこんな色が撮れるのか!」とワクワクしたのを今でも覚えています。
なによりうれしいのは、JPEG撮って出しの写真が美しいこと。毎日何枚も撮っていると、一枚ずつ編集している時間はなかなかありません。シャッターを切るだけで、好きな色がそのまま残っていく。それだけで、日々の撮影がぐっと楽しくなりました。
Photo by pointy
一方で、古いカメラならではの不便さもあります。AFの速度やピント操作にはもたつきを感じますし、フィルムシミュレーションの種類も最近の機種に比べると少なく、クラシックネガは搭載されていません。自分の撮影技術がまだ追いついていないことも相まって、もどかしく感じる場面も少なくありません。
古くても十分。でも、ちゃんと古い。
それが、〈FUJIFILM X-T10〉と過ごしてきた私の正直な実感です。
Photo by pointy
最初は、RAW現像をするつもりはまったくありませんでした。でも、「クラシックネガ風にするなら…」などと試しているうちに、色味を自分好みに整えていく楽しさを知ってしまって。今では夜な夜なRaw現像をするのが、すっかり日課になっています。
Photo by pointy
撮りたいものも変わってきました。はじめは子どもの写真が撮れればいいと思っていたのに、気づけばもっといろいろな写真に、そして作品っぽい写真にも挑戦してみたくなっていました。
Photo by pointy
〈FUJIFILM X-T10〉を手にしたことは、私にとって新しい趣味の始まりでした。この先、復職して子どもが大きくなっても、写真に向き合う時間はきっと大切な癒やしであり続けると思います。
背伸びせずに始めたFUJIFILMが、慌ただしい毎日の中にそっと余白をつくってくれました。人生に、最高の余白を手に入れた気分です。
Photo by pointy
pointy
fujifilm X-T10
cizucu:pointy
Instagram:@pointy___
122 マガジン
愛機との出会いや思い出、忘れられないエピソードをクリエイターが自由に綴る連載企画。愛機を選んだ理由や使い続ける魅力など、カメラ好きなら思わず共感する物語をお届けします。







