〈Meta〉が提供するテキスト中心のソーシャルメディア・〈Threads〉。そこには日々、世界各国から無数の表現が投稿されています。
『find new pieces』は、〈Threads〉に投稿された無数の作品の中から、才能あふれる作品を見つけ出し、その魅力をマガジンで届ける発掘企画です。毎回テーマを掲げ、それに添う作品を世界中から集めることで、まだ見ぬ才能(new pieces)に出会っていきます。
How to join
cizucuの〈Threads〉で、ふと投稿される “写真のテーマ” 。
そのテーマに合う “あなたの一枚” を、リプライするだけ。
参加条件はひとつ、cizucuのSNSをフォローです💙
ご応募いただいた作品の中から、
選ばれた方にはcizucu編集部より、メッセージをお送りいたします!
今回は、世界中から寄せられた無数の応募作品の中から、13作品をご紹介します。
それでは、それぞれの視点と感性が息づく素晴らしい作品を見ていきましょう。
『door』
扉は、ただの境界ではありません。
閉ざすものでもあり、ひらくものでもあり、
その向こうには、まだ知らない時間や気配が広がっています。
誰かが出入りした痕跡、
ふと差し込む光、
少しだけ開いた隙間。
そこには、見えていない物語が静かに滲んでいます。
通り過ぎるだけの扉もあれば、
立ち止まってしまう扉もある。
あなたは、その前で何を感じましたか?
世界のどこかにある一つの“door”と、 あなたのあいだに生まれた、その瞬間を見せてください。
new pieces

Photo by Plini Wu
Plini Wu
📷 NIKON Z50II
💙 01
cizucu編集部
ミントグリーンの静けさの中に、光と影だけで構成された、ほとんど抽象画のような一枚。ふたつのノブと鍵穴が落とす影が、まるでもうひとつの見えない扉の輪郭を描き出しているようで、思わず目を凝らしてしまいます。「扉を撮る」のではなく「扉に宿る光を切り取る」という視点の鋭さが際立ちます。これだけの余白があるのに、息苦しさがない。静寂そのものを写真に定着させたような、余韻の深い作品です。

Photo by Valley
Valley
📷 APPLE iPhone 15
💙 02
cizucu編集部
深夜の闇の中、たったひとつの照明が赤い扉を舞台のように照らし出す。緑がかった光と赤の緊張感ある色彩、地面に滲む黄みがかった反射、そして無機質な配管やマンホール、都市の裏側が持つ独特の体温が、画面全体に漂っています。誰かが今まさに出入りしたような気配があるのに、人の姿はない。その「不在の存在感」を見事に捉えた、夜の街への深い眼差しを感じる一枚です。

Photo by wang fong ya
wang fong ya
💙 03
cizucu編集部
柱が連なるほど、扉は遠ざかる。それなのに、吸い込まれるように前へ進みたくなる。この作品が持つ力は、そんな矛盾した感覚にあります。整然と並ぶ列柱が生み出す透視図法の美しさの果てに、アーチに縁取られた小さな扉がひっそりと待ち受けている構図は、まるで古典絵画の一場面のよう。フィルムの粒子感が石造りの重厚さと絶妙に馴染み、この回廊が積み重ねてきた時間の深さまでもが伝わってきます。

Photo by Michael
Michael
在陽光最剛好的午後,
橘色的屋瓦、條紋的遮雨棚,
靜靜守著這扇白色的小門。
門外是街道與風景,
門內則藏著氣味、笑聲,
還有某個只屬於這個地方的日常。
我站在門前按下快門的那一刻,
忽然覺得——
每一扇門,其實都在邀請人
推開它,走進一個新的故事。
📷 SONY α7 V
💙 04
cizucu編集部
「lovely day, merci」。扉のガラスに書かれたその言葉が、この写真のすべてを語っています。オレンジのストライプ日除け、みかんのイラスト、レンガの足元、小さな鉢植え。扉ひとつの前にこれだけの"歓迎"が詰まっているのに、押しつけがましさがまったくない。切り抜かれた青空の鮮やかさも相まって、ここに来た人が思わず笑顔になってしまう瞬間を、そのまま写真に封じ込めたような作品です。

Photo by Yi-Hsuan Lin
Yi-Hsuan Lin
Nature's Reclamation
When green finds its own way through the steel. A moment of quiet persistence.
💙 05
cizucu編集部
扉が植物に選ばれている、という視点が新鮮です。蔦は鍵も持たず、許可も求めず、ただ静かに格子を伝って扉を自分のものにしていく。人間が「開ける・閉める」を繰り返してきた場所に、自然がそっと別の時間軸を重ねた。この写真はその瞬間を真正面から捉えています。枯れかけた葉と青々とした葉が混在しているのも正直で美しい。生と枯れが共存する扉の前で、立ち止まらずにはいられません。

Photo by shun090928
shun090928
The door
📷 Panasonic DC-S5
💙 06
cizucu編集部
錆びたランプ、緑の郵便受け、石畳、薄いカーテンの向こうの気配。この扉の前には、誰かの日常がぎゅっと凝縮されています。フランスの地方都市に迷い込んだような、懐かしいのに一度も行ったことがない感覚、そんな不思議な既視感を呼び起こす作品です。主役は扉でありながら、周囲の細部を丁寧に拾い上げることで、そこに暮らす人の体温までもが伝わってくる。引き算ではなく、足し算で豊かさを表現した一枚。

Photo by 張聖偉
張聖偉
💙 07
cizucu編集部
半開きの扉から格子の影が壁へと長く伸び、まるで場所そのものが言葉を発しているようです。打ち捨てられた枠、丸められたシート、落ち葉、扉の周囲に散らばるものたちが、ここにあった営みの終わりを静かに証言しています。それでも扉は閉じ切らず、半分だけ開いたまま。その「中途半端さ」が、終わりとも始まりとも言い切れない曖昧な時間を画面に宿らせ、見る者の想像をどこまでも引っ張っていきます。

Photo by taughto
taughto
The door to another world
💙 08
cizucu編集部
モノクロームという選択が、この扉の孤独をより深く掘り下げています。アーチ窓のステンドグラス、左右対称のランプ、アイアンの装飾、かつては誰かを温かく迎えていたはずの意匠が、剥がれ落ちた壁と枯れた草の前では静かに色を失っている。扉の手前に立ちはだかる鉄柵が、物理的にも心理的にも「近づけなさ」を演出し、見る者を外側に留め置きます。美しさと荒廃が同居する、品のある哀愁を湛えた一枚です。

Photo by uni.z3
uni.z3
MINOX 35 PL
Kodak Color 200
📷 NORITSUKOKI QSS-32_33
💙 09
cizucu編集部
光が左から差し込み、唐草模様の装飾格子を金色に縁取りながら、扉の闇へと吸い込まれていく。この光の導線に沿って目を動かしていくと、玄関先にちょこんと置かれたスリッパが目に入り、思わず息をのみます。誰かが今まさにそこにいる、という生活の気配。昭和の集合住宅が持つ固有の意匠と、フィルムが纏わせる琥珀色の温度感が重なって、懐かしさと愛おしさがじわりと滲み出てくる作品です。

Photo by Gino Cittadini
Gino Cittadini
📷 FUJIFILM X-E4
💙 10
cizucu編集部
四角い扉を、丸い穴が切り取っている。それだけで、この写真は別の次元に踏み込んでいます。風化した石壁に穿たれた円の中に、モダンな格子扉がすっぽりと収まる構図は、異なる時代が重なり合う場所でしか生まれない偶然の妙。額縁でも望遠鏡でもなく、「穴」として扉を見せるという発見の鋭さに唸らされます。余白として機能する歩道と車道が、この小さな円をさらに際立たせていて、構図の計算も見事です。

Photo by saki.
saki.
kotor - montenegro
📷 FUJIFILM X-E5
💙 11
cizucu編集部
モンテネグロの郵便局。その扉は、誰かの言葉を世界へ送り出すための場所です。黄色い日除けと郵便ポストが陽光の中で呼応し、古びた赤い扉と白壁の質感が旅情をかき立てます。街灯の影が壁に流れるように伸び、電線が空を横切る。何気ない要素がすべて自然に画面へ収まっていて、作為のなさがかえって豊かさを生んでいます。この扉をくぐった人それぞれが、誰かへの便りを胸に持っていたのだと思うと、胸が少し温かくなる一枚です。

Photo by hisen
hisen
「 🧨 」 . Doors
📷 RICOH GR IIIx
💙 12
cizucu編集部
対聯の赤、門神の鮮やかな色彩、右上から溢れ込むブーゲンビリアの橙。この扉は、厄を払い福を招くための装置として、今もしっかり機能しています。そこへ無造作に置かれた椅子と布団が、信仰と生活のあまりにも自然な共存を物語っていて、思わず笑みがこぼれます。木漏れ日が扉に落とす影も含めて、すべてが「ここに人が生きている」という事実の美しさを語っている。台湾の路地裏で出会ったような、祝祭と日常が溶け合う豊かな一枚です。

Photo by Yi Shuan Sun
Yi Shuan Sun
Red Iron Gate in the Countryside of Tainan.
💙 13
cizucu編集部
色褪せた壁に刻まれた時間の染みと、そこに燃えるように存在する赤い扉。この対比こそが、この作品の核心です。朽ちゆく建物の中で、扉だけがまるで意志を持つかのように、鮮やかな赤を保ち続けている。斜めに走る影が画面に緊張感を与え、扉の幾何学的なデザインが視線をぐっと引き寄せます。「まだここに、何かある」と語りかけてくるような一枚。
最後に
いかがだったでしょうか。
「扉」という存在は、同じ場所にありながら、光や気配によって異なる表情を見せてくれます。今回寄せられた作品からは、通り過ぎるだけでは気づけない余白や揺らぎが丁寧にすくい取られていました。扉の前に立つ一瞬には、それぞれの記憶や感情が静かに滲んでいます。
まだ見ぬ才能(new pieces)を見つけ出すということ。それこそが、本企画を通して果たしたい役割であり、あなたの表現が、より多くの人の心に届くきっかけになることを願っています。

