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ドイツの注目クリエイター・Ute Mahlerが答える「10の質問」| ISSUE #210

By cizucu · 2026年5月6日

連載『グローバルインタビュープロジェクト』
ドイツの注目クリエイター・Ute Mahlerが答える「10の質問」| ISSUE #210

©︎ Ute Mahler

ドイツの注目クリエイター・Ute Mahlerが答える「10の質問」| ISSUE #210

©︎ Ute Mahler

独自の視点で写真表現を追求するフォトグラファーへのインタビューを通じて、創作の原点や思想、制作プロセスを掘り下げ、世界中のフォトグラファー・フォトメディアに新たなインスピレーションを届けます。

ドイツを拠点に活動する写真家・Ute Mahlerさんの創作の原点、そして大切にされている思想や視点。それらを今の時代に言葉としてアーカイブし残していくことは、これからの写真文化の一端を支えていくはずです。

今回の「10の質問」を通して、その表現がかたちになるまでのプロセスに迫ります。

Information
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©︎ LiaDarjes

Ute Mahler

私の背景はドキュメンタリー写真の伝統に根ざしており、常に「本当の」瞬間を探し続けてきました。OSTKREUZエージェンシーの共同創設者として、ドイツ国内外の暮らしを何十年にもわたり記録してきました。人々とその環境、そして社会の分断への深い関心が私のアプローチの核にあります。初期のファッション作品から、Werner Mahler との現在の長期プロジェクトに至るまで、私の目的は現実の詩的な本質を捉えることです。

Instagram : @uwmahler

Q1. あなたの写真の原点と、現在の活動ついて教えてください。

写真はずっと私の人生の一部でした。幼い頃から撮っていて、写真家だった父の影響も大きいです。写真以外の道を選ぼうとしたことはありません。ライプツィヒで写真を学んだ後はフリーランスとして活動し、生計のための仕事と並行して、最初から個人的なプロジェクトも続けてきました。

東ドイツ時代はカルチャー・ファッション誌『Sibylle』のためにファッション写真を撮影し、1990年以降はフォトジャーナリストとして『Stern』誌の依頼で多くのポートレートやフォトエッセイを制作しました。2008年に商業写真をやめ、写真の教授として教えながら、表現活動に専念。現在もWerner Mahlerとアーティスト・コレクティブの一員として、集中的に制作を続けています。

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©︎ Ute Mahler

Q2. あなたの作品において、最も大切にしている要素・テーマは何ですか?

私はずっと「人」に関心を持ってきました。個としての人、そして集団の一部としての人です。
最初の大きな作品群である『Living Together(共に生きる)』には18年間取り組みました。年によって濃淡はありましたが、撮影のときは時間をかけました。人にポーズを取らせるのではなく、私を信頼して、環境の中で自然に動いてほしかったのです。

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©︎ Ute Mahler

やがて私が写真家であることを忘れて、一人の人間として見てくれる状態を目指しました。このシリーズでは何も演出していません。他者に自分の考えを押し付けるのは退屈だったでしょう。

私は発見したかったのです。人がどのように暮らし、空間の中をどう動き、互いにどう関わるのか。それを写真に捉えたかった。もちろんファッション写真では演出もしましたが、この二つの異なるアプローチを同時に使えたのは素晴らしいことでした。

Q3. あなたの作品はどのように生まれますか?直感や偶然、現場での判断など、創作の裏側が知りたいです。

私の頭の中には、常に探究しているテーマがあります。撮影するときは、そのテーマが求める時間、そして自分に必要な時間をかけます。短期間で終わることもありますが、それはむしろ稀です。

ほとんどの場合、何年にも及ぶ長い時間をかけます。何かに深く興味を持ち、まだよく知らないと感じたとき、それがテーマになり得ます。それが社会的に重要なのか、とても個人的なのか、あるいはその両方が一つのテーマの中にあるのかを考えます。そして、なぜ自分がこの対象、この人々、この題材を撮りたいのかを突き止めようとします。

次に、美的なコンセプトを決め、撮影を始めます。同時に、偶然の余地を残すことも大切です。偶然に驚かされるのが好きなのです。主観的で、精密でありながら、すべてを明かさない写真がとても好きです。それはまだ秘密を宿しているような写真です。

Q4. あなたが表現を続ける原動力は何ですか?

まだ発見できること、そして見られるものがたくさんあります。私は好奇心が強く、写真家であることが大好きです。写真は経験の記録であり、人生の記録です。自分の写真を見るとき、それらを日記のように読みます。私は自分の人生を読んでいるのです。

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©︎ Ute Mahler

見知らぬ人のポートレートを撮るときでさえ、その中には私の一部が入っています。物語を語ることも好きです。だからこそ、展示や写真集で自分の写真を発表することが私にとって重要なのです。写真を並べてシークエンスを作り、写真同士の対話を生み出すことで、私の物語をさらに鮮やかに伝えられるからです。

Q5. お気に入りの一枚を見せてください。その一枚に込めたストーリーや、選んだ理由も知りたいです。

「お気に入りの一枚」を答えるのは、私にとってはほとんど不可能です。暗室で選び、引き伸ばしてきた写真はどれも愛しています。すべてが同じ強度や重要性を持つわけではないとしても。
アナログ写真は私の仕事の場であり、どの写真にも、そこで起きた出会いや出来事を今でも覚えています。おそらく暗室作業があまりに骨が折れ、薬品の匂いがきつく、暗闇の中で向き合う時間が長いからでしょう。

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©︎ Ute Mahler

それでも、もし一枚だけ選べと言われたら、4人のサーカスの子どもたちが写った写真です。何度も見返し、プリントし、バライタ紙のプリントを手でレタッチしてきました。それでもなお、子どもたちの存在感や、素晴らしいグレーの階調があり、1973年に彼らを撮ったときに感じた魔法のような感覚が、今もそこに残っています。

Q6. AI時代に、写真はどんな意味を持つと思いますか?

技術的でルーティン化された作業を中心に、仕事の領域全体がAIに置き換えられていくと私は思います。しかし、芸術は芸術家によって、個人によって、考え、感じ、自分自身の経験を作品に持ち込む人間によって創られるものです。主観性こそが、大きな可能性だと感じています。

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©︎ Ute Mahler

Q7. ドイツのシーンの中で、あなたが「重要だ」と感じる動きやコミュニティは?

ドイツ写真について語られるとき、人々はAugust Sander、Bernd & Hilla Becher、Andreas Gurskyなど、世界的に著名な作家たちを思い浮かべます。
そこにはドキュメンタリー写真とアート写真の両方が含まれます。多くの作家が「シリーズ」で制作することに重きを置いてきました。一方で、ジャーナリズムや応用分野でも、非常に才能ある写真家たちが活動しています。

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©︎ Ute Mahler

主要な美術館でも写真が展示され、芸術の重要な一部として認められています。ベルリンでは特にC/O Berlinを挙げたいです。この展示スペースでは、世界を代表する写真家を定期的に紹介しており、同時に新しい才能やトレンドもバランスよく提示しています。驚くほど多い来場者数が、このメディアへの強い関心を物語っています。

Q8. 他国の写真シーンやクリエイターに、興味や刺激を感じることはありますか?

良い写真は私を刺激します。人生を通して、同業者たちの作品に魅了されてきました。彼らが被写体に対して独自の視点を持ち、それを驚くほど美しいかたちで表現しているからです。

私には「たった一人の英雄」はいません。心に残るのは、いつもイメージそのものと、その強度です。人生の異なる段階ごとに、私はさまざまな写真表現に開かれてきました。それは、私自身の世界や、その時々に抱いていた思考や感情と結びついているからです。

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©︎ Ute Mahler

しかし、変わらず敬意と憧れを抱き続けている作品があります。Josef Koudelkaの『Exiles』、Chris Kilippの『In Flagrante』。そして深瀬昌久の写真集『鴉(Ravens)』を初めて見たときは、圧倒されました。感情とメタファーの力がものすごい。偉大な作品です。私にとって、この本はいまでも史上最高の写真集です。

Q9. あなたが人生をかけてでも挑戦したいと考えていることについて教えてください。

私の人生で最も大切なのは家族です。そして好奇心。あらゆることに対して開かれたままでいること。

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©︎ Ute Mahler

Q10. 世界中のクリエイターへ、今のあなたから届けたいメッセージをお願いします。

とても大切な問いですね。私が思う答えはとてもシンプルです。写真を信じ続けてください。

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