写真を愛するクリエイターたちが語る、カメラとそのストーリー。「愛機」という存在には、それぞれの人生観や価値観が映し出されます。今回の連載では、〈FUJIFILM XF 35mm F1.4 R〉を愛用するマサヒデさんが登場。
最新の高解像レンズが次々と登場する今、機材選びはどうしてもスペック中心になりがちです。しかし、その一方で「数字では語れない写り」を大切にしているクリエイターもいます。
今回マサヒデさんが語るのは、発売から10年以上が経過した今でも多くの人に愛され続ける〈FUJIFILM XF 35mm F1.4 R〉について。そこには、“性能”ではなく、“生活との距離感”によって選ばれるレンズの価値がありました。
〈FUJIFILM XF 35mm F1.4 R〉基本情報
〈FUJIFILM XF 35mm F1.4 R〉は、FUJIFILMのXマウント用単焦点レンズとして知られる標準域の一本です。35mm判換算で約53mm相当の画角を持ち、人の視野に近い自然なパースで日常を切り取ることができます。コンパクトなボディながら金属鏡筒の質感も高く、長く使い込むほどに“道具としての愛着”が増していく設計です。
スペックでは語れない写り
なんだか今更とも思いますが、この神レンズについて語らせてください。そもそも、生活に馴染みすぎていてマガジンに書くという発想にすら至っていなかったこのレンズ、改めて調べると2012年発売とのことです。
発売からすでに14年も経っていながら、今なお現役、それどころか最新レンズに引けを取らない魅力を持ったレンズです。

Photo by マサヒデ
確かにこのレンズ、写りはそれほどシャープではありません。富士フイルム公式の見解としても、4000万画素センサーには非対応となっていますし、ピント面の解像感を重視するクリエイターの方々にとっては満足いかないケースも多々あると思います。

Photo by マサヒデ
空気をまろやかに写し撮るということ
でも、このレンズにはそういったスペックでは語りきれない魅力があります。
むしろ、スペックを追い求めていたらおそらくこういうレンズは生まれなかったことでしょう。

Photo by マサヒデ
現代レンズの完璧なまでの写実性というよりは、ほどよいバランスで懐かしい空気を漂わせてくれる。そんなレンズです。
生活に馴染むという価値
あえて言葉で表現するなら、「空気をまろやかに写し撮るレンズ」とでも言えるでしょうか。
特にポートレートで使うと、「ああ、そうだった。この人と、あんな時間を過ごしたんだ」と思い返したくなる、記憶を呼び起こさせるような写りをします。

Photo by マサヒデ
そういう意味では、気合を入れてスナップしに出かけるレンズというよりは、日常の風景を切り取る使い方の方が、ぼくにとってはこのレンズの良さを引き出せるような気がしています。

Photo by マサヒデ
そんなわけで、〈FUJIFILM XF 35mm F1.4 R〉はとにかく生活に馴染んでいる、当たり前のように使っている最高のレンズです。きっとこれからも、特別な日に限らず、何気ない日々のいちばん近くにいる一本であり続けると思います。

マサヒデ
カメラのある暮らし。撮りに行きたいものと取っておきたいもの。
cizucu:マサヒデ
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