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フランスの注目クリエイター・Marine Billetが答える「10の質問」| ISSUE #256

By cizucu · 2026年7月22日

連載『グローバルインタビュープロジェクト』
フランスの注目クリエイター・Marine Billetが答える「10の質問」| ISSUE #256

©︎ Marine Billet

フランスの注目クリエイター・Marine Billetが答える「10の質問」| ISSUE #256

©︎ Marine Billet

独自の視点で写真表現を追求する人物へのインタビューを通じて、創作の原点や思想、制作プロセスを掘り下げ、世界中のフォトグラファー・フォトメディアに新たなインスピレーションを届けます。

フランスを拠点に活動するフォトグラファー〈Marine Billet〉さんの創作の原点、そして大切にされている思想や視点。それらを今の時代に言葉としてアーカイブし残していくことは、これからの写真文化の一端を支えていくはずです。

今回の「10の質問」を通して、その表現がかたちになるまでのプロセスに迫ります。

Information
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Marine Billet

「対話としての実践」
ルポルタージュからビューティー、ラグジュアリーまで、写真と映像を横断しながら制作を行う。ジャンルを切り分けるのではなく、それぞれが互いに影響し合う実践として捉え、技術と感性を往復する表現を探求している。

Instagram : @marine_billet

Q1. あなたの写真の原点と、現在の活動について教えてください。

私は幼い頃から、カメラを手にすることが好きでした。母が時々使っていたフィルムカメラでも、2000年代の小さなコンパクトデジタルカメラでも、その感覚は変わりません。
日常の風景を少し違う角度から切り取り、新しい光のもとで見つめ直すような瞬間に惹かれていました。

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©︎ Marine Billet

デジタルカメラでは「マクロ」モードをよく使っていたのを覚えています。一方で、母のフィルムカメラを使うときは、もっと“待つ”感覚がありました。
フィルムには、ちょうどよい瞬間を待つことが求められていたからです。特に覚えているのは、ロンドンの公園でリスを何時間も眺めながら、完璧な一枚を待っていたことです。当時、私は10歳くらいだったと思います。

Q2. あなたの作品において、最も大切にしている要素・テーマは何ですか?

私の写真は、年月とともに明らかに変化してきました。ただ変わらず、光は常に私の作品の中心にあります。ラグジュアリーとドキュメンタリーの両方に携わっているため、被写体はさまざまですが、光はどの領域にも通底する「主題」であり続けています。

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©︎ Marine Billet

最初は静物写真ら始まりました。そこに少しずつ、人の要素を取り入れていきました。手や脚といった断片的な身体から始まり、次第に人物そのものが私のイメージのなかで場所を占めるようになり、やがて中心的な存在になっていきました。

最近では、プレス向けのポートレートやビューティー広告の撮影に大きな喜びを感じています。私が魅力を感じているのは、こうして常に変化し続けられることです。

Q3. あなたの作品はどのように生まれますか?直感や偶然、現場での判断など、創作の裏側が知りたいです。

クライアントワーク以外の個人的なプロジェクトでは、いくつかの進め方があります。ときにはアイデアがとても自然に訪れて、すべてがすぐに明確になることもあります。

ただ、多くの場合、新しいことを始めたいと感じたときには、まず自分にたくさんのビジュアルやアイデアを見て、取り込みます。そのなかで、他のものよりも強く自分の中に残るものがあります。

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©︎ Marine Billet

そして多くの場合、それはタイミングの問題でもあります。同じビュアルのセレクションを別々のプロジェクトのために見返すこともありますが、そのときの時期、場所、自分の心の状態によって、読み取り方は変わります。そこから最初の糸が引き出され、その出発点をもとにプロジェクトを編み上げていきます。

Q4. あなたが表現を続ける原動力は何ですか?

新しいものに出会うことです。私は比較的すぐに退屈してしまうところがあり、ときには自分自身のビジュアルにさえ飽きてしまうことがあります。
だからこそ創作は、新しいことを試し、これまで出会わなかった人々と関わるための大切な機会になっています。

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©︎ Marine Billet

それは同時に、自分をある種の「危うさ」の中に置くことでもあります。慣れ親しんだ方法から離れ、まだ経験したことのない領域へ踏み出すこと。私は、自分のプロジェクトの中でそうしたプロセスを育てていくことを楽しんでいます。
発見し続けることは、私にとって欠かすことのできない原動力です。

Q5. お気に入りの一枚を見せてください。その一枚に込めたストーリーや、選んだ理由も知りたいです。

私は《Reliées》を選びます。制作したのはちょうど1年前です。とても多くの心とエネルギーを注いだプロジェクトでした。準備は決して簡単ではありませんでしたが、私はこの作品を信じていました。そして、素晴らしいチームに恵まれたことも幸運でした。

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©︎ Marine Billet

撮影は、信じられないほど素晴らしい体験であると同時に、決して簡単なものではありませんでした。機材の破損や予期せぬトラブルも多くありましたが、写真と映像は無事に残りました。
プロジェクトそのものが失われることはなく、私たちは立ち止まらずに進み、そのときできる最善を尽くしました。結果として、心から誇れる作品を得ることができましたし、そう感じられることは、私にとって実はとても珍しいことです。

《Reliées》は、私に新しい扉も開いてくれました。それは展示という世界です。写真家として、それまで深く踏み込んできたとは言えない領域へ足を踏み入れるきっかけになりました。

Q6. AI時代に、写真はどんな意味を持つと思いますか?

AIの時代において、物事が変化し進化していくことは避けられません。写真もその影響を受けていますが、時代とともに進んでいく必要があります。

とはいえ、「写真」という言葉は、ある種の威厳や、より本物らしい質感を得たようにも感じます。AIはますます強力になっていて、今では本物と偽物を見分けるために、より注意深く見る必要があります。

写真は、その本質において、現実の痕跡をたどるものです。

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Q7. フランスのシーンの中で、あなたが「重要だ」と感じる動きやコミュニティは?

現実へと立ち返る流れが、強くなっているように感じます。たとえば、集団の中で生まれる場面や、予期せず立ち上がる自然な瞬間を写した写真です。

そこでは写真家が被写体の外側に立つのではなく、その場のただ中にいます。シーンが写真家に向けて整えられているのではなく、写真家自身がその空気や出来事の一部になっているのです。

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©︎ Marine Billet

Q8. 他国の写真シーンやクリエイターに、興味や刺激を感じることはありますか?

たくさんあります。他の写真家の作品に触れることは、私にとって大きな刺激であり、自分自身を成長させてくれるものです。
ただ、数名の名前を挙げるだけでは、その影響の広がりを語り尽くすことはできません。私にインスピレーションを与えてくれる存在は、本当に数多くいます。 

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©︎ Marine Billet

一枚の写真に深く心を動かされることもあれば、ある作家の作品全体に強く惹かれることもあります。影響の受け方はいつも異なり、その多様さこそが、私にとって大切な刺激になっています。

Q9. あなたが人生をかけて追い求めたいことは?

退屈しないことです。もちろん、退屈にも必要な時間や役割はあると思います。
ただ、停滞してしまうことはできるだけ避けたい。ひとりで、あるいは誰かとともに、新しいプロジェクトを始めたり、そこに関わったりすることを、疲れるものだとは思いません。むしろ、私にとってはその逆です。

何もしないままでいることや、日々の惰性に流されてしまうことのほうが、ずっと消耗するように感じます。

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©︎ Marine Billet

Q10. 世界中のクリエイターへ、今のあなたから届けたいメッセージをお願いします。

創り続けましょう。そして、好奇心を持ち続けましょう。常に革新し、失敗を恐れずにいましょう。同時に、互いへの敬意を忘れないことも大切にしましょう。

誰かにインスピレーションを与えているすべての人へ。そして、誰かからインスピレーションを受け取りながら、自分の表現へとつなげているすべての人へ。心からの祝福を送りたいです。

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