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この色が好きで撮った、色から始まる写真 | Focus #715

By cizucu · 2026年8月3日

この色が好きで撮った、色から始まる写真 | Focus #715

Cover photo by hhhiroooki

この色が好きで撮った、色から始まる写真 | Focus #715

Cover photo by hhhiroooki

写真を撮る理由は、いつも大きな出来事や特別な被写体から始まるわけではありません。ふと目に入った赤、雨の日の青、木漏れ日の緑、壁に残った白、夕方の影に混ざる紫。名前をつける前に、ただ「この色が好き」と感じてシャッターを切ることがあります。
その写真は、自分の視線がどこに反応したのかを教えてくれるものです。色は、被写体ではなく、写真を撮る動機になる。何を写したかよりも、なぜそこに目が止まったのか。その入口として、「好きな色」はとても自由です。

赤、青、緑、白、そして影の中にある色。惹かれる色をたどると、被写体の選び方や構図、編集の判断まで、その人らしい視線が見えてきます。色を入口に、写真が持つ感情や記憶の動きを見つめていきます。

色は、写真を撮る理由になる

赤は、看板や花、ネオン、夕焼けの中で、写真に小さな体温を灯します。ほんの少し入るだけで視線を引き寄せ、静かな風景に物語のきっかけをつくる色です。青は、被写体よりも空気を包み込む色。曇りの日の窓辺、雨に濡れたガラス、夕暮れの海街のように、その日の湿度や記憶を写真に残します。

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Photo by jaeyun_84

緑は、画面の緊張をゆるめ、視線をゆっくり進ませます。街路樹や草むら、森の影は、背景でありながら写真のテンポを整える存在です。白は、何もない色ではなく、光の強さや静けさを受け止める色。雪、壁、シャツ、カーテンのように、少しの質感が残ることで、写真に余白と深さが生まれます。

影色に、その場所らしさが残る

影は黒ではなく、環境の色を含んでいます。夕方の影は青紫に寄り、都市の影にはネオンの赤や緑が混ざり、森の影は深い緑を帯びます。光そのものよりも、影のほうにその場所らしい色が出ることがあります。

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Photo by 日富一日

「好きな色」を探すなら、明るい部分だけでなく、壁の端、足元、建物の隙間、木陰、夜の路地に目を向けてみる。そこには派手ではないけれど、自分の感覚に近い色が潜んでいます。影色を撮ることは、強く見せるよりも、残っている気配を拾うことに近いのかもしれません。

色を集めることは、自分の視線を集めること

同じ色をテーマに写真を集めてみると、自分の癖が見えてきます。なぜか青ばかり撮っている。赤は看板ではなく花に惹かれる。白は光よりも壁で撮りたくなる。そうした小さな偏りは、欠点ではなく、その人らしい視線です。

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Photo by I'm___yuto__

「この色が好きだったんだ」と眺めてみる。すると、一枚の写真は評価の対象ではなく、自分の感覚を知る手がかりになります。好きな色は、世界の中にすでにあります。あとは、それに気づくこと。カメラやスマートフォンを持って歩く時間が、色を見つける時間に変わったとき、いつもの景色は少しだけ豊かに見えてくるはずです。

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