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Cover photo by Chia-chieh Yang
『Read Your Photography』では、ただ見るだけでは出会えない、写真の裏側にある“物語”に目を向けます。cizucuが主催する〈photo poster project〉や、SNSを通じて集まった作品とともに、その一枚が生まれた背景やその人だけの時間を、cizucuマガジンが12言語に翻訳し、世界中へ届けます。
物語を心にしまっておくのもひとつの選択。けれど、その想いは誰かの心に静かに触れ、まだ見ぬ感動を生むかもしれません。
今回ご紹介するのは、世界中から集まった3名の作品です。
それでは、唯一無二の物語を、そっと覗いてみましょう。
Photo by SUNG PO HAN
SUNG PO HAN
📷 FUJIFILM X-T30 II
📚 01
2026年のはじめ、恋人との別れをきっかけに、心を整えるため東京へ旅に出ました。ホテルを間違えて予約したことで、偶然泊まることになった錦糸町。東京を訪れるのは3度目でしたが、そこで初めてスカイツリーに出会いました。
旅のあいだ、毎朝早く起きて、カメラを手に街を歩きました。錦糸町から浅草寺へ、別の日には上野へ。出かけるときも、夜にホテルへ戻るときも、スカイツリーはいつもそこにありました。晴れ、雨、曇り。その日の空に合わせて、異なる表情を見せてくれました。
この写真を撮ったのは、台湾へ帰る日の朝です。最後の時間を大切にしたくて、もう一度錦糸町の周辺を歩いていると、公園の遊具の隙間からスカイツリーが見えました。旅のあいだ何度も見上げた存在を、最後にこの構図で残したいと思い、シャッターを切りました。
偶然から始まった旅の終わりに出会った、2026年でいちばん気に入っている一枚です。
cizucu編集部
建物の隙間からまっすぐ伸びる東京スカイツリーが、旅のあいだ何度も見上げた記憶の軸のように写っています。手前のぼけが都市の一角をそっと切り取り、偶然たどり着いた錦糸町で過ごした時間を、どこか私的で親密な風景へと変えています。心を整える旅の終わりに見つけた、静かな再出発を感じさせる一枚です。
Photo by Chia-chieh Yang
Chia-chieh Yang
📷 CANON EOS 5D Mark IV
📚 02
安居明けの祭り(End of Buddhist Lent Day)を翌日に控え、私たちはラオス北部の小さな村ムアンゴイを訪れていました。午後、村人たちとともに寺院の境内へ集まり、行事に参加しました。少年僧たちは読経を終えると村人の輪に加わり、ロケット花火を打ち上げて祝いました。
私は人々の間を行き来し、最後は少年僧たちのそばで、ロケット花火が空へ飛んでいく様子を撮っていました。点火、煙、上昇、炸裂、そして歓声。同じ流れが何度か繰り返されるうちに、その光景は次第に同じもののように見え始めていました。
「もう十分かな」と思って振り返ったとき、期待に満ちたまなざしで空を見上げる少年僧たちの姿が目に入りました。その光景に心を動かされ、急いでカメラを構えました。
彼らが見つめていたのは、夜空を埋め尽くす華やかな花火ではありません。ただ一本のロケット花火が空へ昇り、弾ける瞬間でした。
そのまっすぐなまなざしを見たとき、期待や喜びは壮大なものから生まれるとは限らないのだと気づきました。ささやかな一瞬が、心を大きく弾ませることがある。その発見とともに残した一枚です。
cizucu編集部
一斉に空を見上げる少年僧たちの表情には、驚き、期待、喜びがそれぞれのかたちで浮かんでいます。モノクロームだからこそ視線の方向と感情の揺れが際立ち、一本のロケット花火が生んだ歓声まで聞こえてくるようです。ささやかな出来事に心を弾ませる、その純粋な瞬間を力強く捉えた一枚です。
Photo by HUANG ZI WEI
HUANG ZI WEI
📷 SONY α7C II
📚 03
下鴨神社の表参道を歩くと、足もとの砂利がかすかな音を立て、午後の風とともに穏やかな時を刻んでいました。春の盛りでありながら、地面にはまだ落ち葉が厚く積もっています。糺の森では、新緑の葉を通った陽射しが降り注ぎ、私の影は大きな木陰に飲み込まれては、また現れました。
少し先には、深く続く緑の参道をゆっくりと歩く老夫婦がいました。二人の歩調は、長い年月をともに過ごしてきたことを感じさせるように、自然と揃っていました。使い込まれたカメラバッグを肩に掛けた男性は、遠くの木々へ目を向け、二人だけがわかる何かを示すように静かに腕を上げました。
そして連れ合いへ少し身を寄せ、やわらかな声でこう囁きました。
「ほら、あそこを見てごらん。若い頃の私たちも、あんなふうだったね」
その言葉は、過ぎ去った若さを惜しむものではなく、ともに歩んできた時間への静かな感謝のように聞こえました。彼が指し示した先にあったのは、ひとつの景色だけではありません。若い頃の記憶と、今も二人のあいだに残り続ける想いだったのだと思います。
新緑の木々の下を進む二人を見送りながら、本当のロマンスとは、ともに過去を振り返り、そこに何ひとつ失われていないと感じられることなのかもしれないと思いました。そんな時間を写した一枚です。
cizucu編集部
新緑に包まれた参道のなかで、歩調を合わせる二人の姿が小さく、それでも確かな存在感を放っています。男性が差し出した指先の先には、二人だけが共有する記憶と、積み重ねてきた時間があるようです。広大な森と足もとに重なる落ち葉が、過ぎた季節とこれからの時間を静かにつなぐ一枚です。
いかがだったでしょうか。
ビジュアルだけでは語りきれない魅力に、私たちは目を向けていきたい。『Read Your Photography』は、写真の奥にある想いや感情に目を向け、ひとつの物語として受け取るための企画です。
写っているのは、ほんの一瞬です。けれどその奥には、確かに流れ続けてきた時間と、言葉にならなかった感情があります。
どうか写真を読むように、そして頁をめくるように、味わってみてください。
cizucuの〈Threads〉で、ふと投稿される “写真のテーマ” 。
そのテーマに合う “あなたの一枚” を、リプライするだけ。
参加条件はひとつ、cizucuのSNSをフォローです💙
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『Read Your Photography』では、cizucuが主催する〈photo poster project(ppp)〉の出展作品もご紹介しています。
pppは、あなたの国でも開催されているかもしれません。「写真が好き」という気持ちだけで繋がる出会いが、いま世界中に広がっています。
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ただ見るだけでは出会えない、写真の裏側にある“物語”に目を向けます。cizucuが主催する〈photo poster project〉やSNSを通じて集まった作品とともに、世界中へ届けます。




