はじめに
『A Refrain Calling』は、cizucuが主宰する、cizucuに登録するクリエイターであれば誰でも応募できるグローバルなオンラインフォトコンテスト。応募作品の中から優れた作品をキュレーションし、プラットフォームとしての新たな才能の発掘、そして、コミュニティとしての支援を目的としています。
今回のテーマは、〈反復するもの〉 でした。
同じ形、同じ色、同じ大きさ、同じ向き。
外を歩いていると、私たちはふと、繰り返し現れるものたちに目を留めることがあります。並んだ自転車、連なる窓、群れをなす鳥、横一列に座る人々。反復するものたちは、ひとつひとつは小さな要素でありながら、連なり、重なり、間隔を持つことで、写真の中で、まるで拍を刻むように連なっていきます。
リフレインとは、音楽や詩の中で繰り返されるフレーズのこと。
規則的な配列や偶然の重なり、リフレインのような目に呼びかけてくる作品を皆さまから募集いたしました。
それでは、応募作品と受賞作品をご紹介いたします。
応募作品

Photo by Sara Lim
Sara Lim
cizucu編集部
見慣れたはずの集合住宅の窓が、水面への映り込みによってもう一度繰り返されることで、現実の都市風景がどこか幻想的な世界へと変わって見えます。灯りのついた部屋と暗い部屋が交互に現れ、それぞれに異なる時間が流れていることを想像させます。無数の暮らしが一枚の中に凝縮されたようでした。

Photo by Saki
Saki
📷 OLYMPUS OM-D E-M1
cizucu編集部
等間隔に並ぶ人々は同じ場所で同じ方向を向きながら、それぞれが手元の画面や思考の内側にいるように見えます。その姿と長く伸びた影の連なりが、都市生活の中で繰り返される、ともにいながら孤立する時間を映しているように受け取りました。

Photo by atticusfoo
atticusfoo
Some refrains are stitched in cloth.
Shot on film (Lucky Color 200)
cizucu編集部
同じ形のベランダに同じ旗が並ぶことで、私には、ひとつの建物を包む共同体の意識が浮かび上がってくるように感じられました。一方で、旗の揺れ方や住人の姿、植物や洗濯物には、それぞれの暮らしがにじんでいます。反復が均一さをつくるのではなく、その中にある小さな違いを際立たせている点が印象に残ります。
受賞作品

Photo by Yosuke0312
Yosuke0312
minions vs walrus
cizucu編集部
青と桃色の帽子が画面下部に反復されることで、強い色面と秩序が生まれ、その先のセイウチと飼育員へ自然に視線が導かれます。観客と舞台を上下に分ける構成、色の連なりと中央の大きな形の対比によって、場面全体がひとつのグラフィカルな構図として整理されているように感じました。

Photo by YUKI YOSHIDA
YUKI YOSHIDA
本物はどっち・・・。
cizucu編集部
反復する曲線と鏡面による上下対称の構成が、建築空間を幾何学的な図像へと変換しています。黄色い線や人々の姿が鏡の境を越えて連続することで、実体と反射、展示と観客の境界が曖昧になり、画面全体に複雑で美しいリズムが生まれているようです。
最後に
いかがでしたでしょうか。
身の回りにある反復は、視点を変えることで、秩序や揺らぎ、複雑なリズムをたたえた風景として立ち現れてきます。今回のコンテストをきっかけに、日常に潜む繰り返しへ目を向けていただければ、視野がより広がっていくことでしょう。また次回のコンテストでお待ちしております。


